Sorakan Artをご覧いただき、ありがとうございます。
このページでは、私がどのような想いで作品を作り、どのような視点で世界を見ているのかを少しだけお伝えできればと思います。
私は、「あ、このイラストの雰囲気は暖かいな」「優しい空気を感じるな」と思っていただけるような作品づくりを心がけています。強く主張するものではなく、ふと目に入ったときに少し気持ちが和らぐような、そんな存在でありたいと考えています。
もともと絵に対して強い自信があったわけではありません。しかし、オーストラリアのメルボルンで過ごした時間が、私の価値観を大きく変えました。
メルボルンはアートが非常に身近な街であり、ストリートアートやギャラリー、日常の中に自然と表現が溶け込んでいます。
そうした環境の中で過ごすうちに、「表現することは特別なことではなく、もっと自由でいいものなのだ」と感じるようになりました。
特に印象的だったのは、人の良いところを素直に認め、言葉にして伝える文化です。良いと思ったものはしっかり褒める。そのシンプルな姿勢が、私にとって大きな支えとなりました。
自分の表現に対して迷いや不安があった中で、そうした言葉に触れたことが、「もっと続けてみよう」「自分なりの表現を見つけたい」という気持ちに火をつけ、今に至る原動力となっています。
2023年10月の作品(左)と、2026年1月の作品(右)
現在の作品は、日本とオーストラリア、二つの異なる感性の影響を受けて生まれています。
日本のイラストには、輪郭の柔らかさや、どこか落ち着いた優しい雰囲気があります。一方で、オーストラリアで触れてきたアートには、デフォルメの強さや大胆な構成、そして色彩の豊かさといった違った良さがあると考えています。
私は、この二つの要素を掛け合わせることを大切にしています。柔らかく親しみやすい日本的な表現と、自由でエネルギーを感じる海外の表現。そのどちらかに寄せるのではなく、その間にある微妙なバランスを探りながら作品を作っています。
そのバランスによって生まれるのは、完全な現実でも、完全な非現実でもない、少しだけ現実から離れたような世界観です。
見たことがあるようで、どこか違う。親しみやすいのに、新鮮さも感じる。そういった感覚を大切にしています。
また、作品の中では「余白」も意識しています。すべてを説明しきるのではなく、見る人が自由に感じ取れる余地を残すこと。誰かにとっては懐かしさを感じるかもしれないし、別の誰かにとっては新しい発見になるかもしれない。そうした多様な受け取り方が生まれること自体が、作品の魅力だと考えています。
制作においては、コントロールと偶然のバランスも重要にしています。構図や色の方向性はある程度意識しながらも、あえて計算しすぎないことで、思いがけない表現が生まれることがあります。その予測できない部分こそが、作品に深みを与えてくれると感じています。
メルボルン市内にあるカフェからご依頼をいただき、グッズやポスター用のイラスト制作にも携わりました。実際の店舗空間の中で使われる作品を制作することは、単なる「作品」としてだけでなく、「人の生活の一部になるもの」としての視点を持つきっかけとなりました。お店の雰囲気や来店する人たちのことを想像しながら制作することで、より実用性と表現のバランスを意識するようになりました。この経験は、イラストの可能性を広げる大きな転機となっています。







オーストラリア滞在中には、バスキング(路上パフォーマンス)を通して、自分の表現を直接人に届ける経験もしました。






またオーストラリアではアーティストマーケットにも出店し、多くの来場者と直接関わる機会を得ました。
その中で、一日で96人の似顔絵を描くという経験もしました。






また、数名のメンバーを募集し、折り紙やZINEの制作を通したワークショップも行いました。








このサイトに掲載している作品は、そうした考えの中で生まれたものです。完成された答えを提示するというよりも、一つの視点として共有することを大切にしています。見てくださる方が、それぞれの感覚や記憶と重ねながら、何かを感じ取っていただけたら嬉しいです。
これからも、日常の中でふと感じたものや、旅先で出会った景色、人との関わりの中で生まれる感情を大切にしながら制作を続けていきます。そして、少しでも誰かの心に残るような、静かで温かい作品を届けていけたらと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
